堂端徹作品展


堂端徹作品展
会期:2009年12月19日(土) − 2010年2月20日(土) *金・土曜日のみ
場所:来来/LaiRai




作品写真01 作品写真02 作品写真03 作品写真04 作品写真05
作品写真06 作品写真07 作品写真08 作品写真09 作品写真10







「天然記念物的な、堂端徹の作品。」
いまさらいうまでもないことだが、
おもしろい美術家がつくるものはやっぱりおもしろい。
気持ち悪い作品をつくる人はやっぱりなんか抱えているし、
無邪気な人は衒いのない作品をつくる。
堂端徹は、一昨年、東京芸大大学院の先端芸術表現専攻を出て、
現在は都内の中学校で用務員の仕事をしながら制作活動を続けている。
その作品にはアウトサイダーアートのような絵柄も散見されるが、
彼はあくまで崇高な芸術を志す人である。
借り物の美的アイコンを並べることから始めなかったので
子供じみた絵が繰り返し描かれるが、
いわゆる自動筆記に身をゆだねて生まれる描画や量産が信条のアウトサイダーアートとは別種のものである。
なにより、寡作である。
彼にとって制作とは、熟考をともなう作業である。
そのとてつもなく自由な発想が形になったものを前にして、
つい「思いつき」とこちらが口にすると、彼は遠慮がちに怪訝な表情をみせる。
たとえば、今回特別にお借りした渡辺英司さん所蔵の「よりみち」写真は、
カテランにも似た遊び心に生真面目さの加わった味わい深い作品だ。
それは吃音をテーマにしたものだが、
手書き文字の「ぼ」「ぼ」「ぼ」「ぼ」「ぼくは」、その間にあらわれる図像、仕組み、造作など実によく練られているのだ。
今回は、東海地方では何度か展示されている「かおたんす」写真も蔵出しして、
本のシリーズ「へ」写真の新作、ドローイングとあわせて展示する。
昨今の病理に近づきすぎた美術にちょっと食傷気味の愛好家の皆様に、
ぜひ、このすがすがしさを知ってほしい。






堂端 徹 Douhata Tohru
 1967 北海道生まれ
 2007 東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了

〈 主な個展 〉
 2004  「堂端徹展」 U8projects(名古屋造形芸術大学内)、 愛知
 2008  「みんなの堂端徹 collection exhibition」
    U8projects (名古屋造形芸術大学内)、 愛知
 2010  「堂端徹作品展」来来/LaiRai、東京

〈 主なグループ展 〉
 1997-2000 「カウンタック貯金展1〜6」名古屋市市政資料館
 2003  「Temporary Project Room Exhibitions」
    名古屋造形芸術大学内仮設スタジオ、愛知
 2006  「マーチ part1」ケンジタキギャラリー、 愛知